トレモロを綺麗に鳴らすための練習って、あるの?

ギター
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今回のお話はアルハンブラの思い出等で有名なトレモロ奏法を綺麗に鳴らす練習方法について説明いたします。
ある程度のアルペジオが普通に演奏出来ている中級者向けに記事を書いてみました。

 

p-右手親指のバランスが大事

 

1-1・どうしてもメロディーラインになる右手のa-m-i【薬指-中指-人差し指】の動きだけに意識が集中してしまいますがベースと分散和音を奏でる親指【p】の扱いがおろそかになりがちです。
音楽としての全体的なバランスを考えるとメロディーラインとなるトレモロを奏でるa-m-iの指の動きも大事ですが親指pの動きはもっと重要です。
理由は親指【p】だけでベースと分散和音を奏でるわけですからとにかくバランスが大事です。
要は親指【p】一本が低音のベースとアルペジオ【分散和音】を担当
している訳で音楽の要である“アンサンブル”を綺麗に奏でることを
意識して練習するのが大事です。
まずは、トレモロを担当する【ami】には休んでもらって
親指【p】だけで“アンサンブル”の低音部とアルペジオの
練習をしてみてください。
アルハンブラの思い出の譜面ですと写真の通り印を付けた部分を
親指【p】だけで演奏してください。
*右手の指記号については以下の記事をご参照ください。

ギターを弾く指には記号や番号が決まってるよ!何で?
上の写真の鉛筆で丸印を付けた所を抜き出した写真が下の
ものです。
一拍目の頭は実際の譜面上は付点二分音符ですがすべて
八分音符にしてみました。
これをp【親指】だけで演奏するのは案外と難しいのです。
普段、トレモロを奏でるami【薬指、中指、人差し指】は
①弦の上に軽く当てて固定し、練習するとやりやすいです。
それと、おろそかになりやすいのが拍子を無視した演奏です。
この譜面ですと4分の3とありますのでワルツの拍子の
数え方になります。
一拍目に強拍がきて2拍、3拍は少しスタッカート気味の感じで
頭の中で“ズン、チャッ、チャ”または“タカ、タン、タン”を
数えながら練習すると良いです。

メロディーラインのトレモロばかりに気を取られていて大事な曲の
“アンサンブル”つまり、【曲を構築している土台】が安定していないと
トレモロのメロディーラインを綺麗に歌わせるのが難しくなります。
例えるなら、バンドのメンバーが勝手な速度や音の強弱を無視して
演奏しているといくらベテランな歌手でも綺麗な歌声を発揮できない
のと同じです。

アルペジオの練習を毎日の日課にするのがトレモロ奏法
上達の近道?

 

トレモロは【同一弦上のアルペジオ】だと考えると
アルペジオ【分散和音】がある程度以上に弾けないと難しいです。

出来れば“ジュリアーニの右手の為の練習”を完璧に弾けるまで
毎日の日課に取り入れると良いです。

“ジュリアーニの右手の為の練習”自体は右手の動きやバランスに
特化したアルペジオのエチュードで左手はコードでいうところの
【CとG7】しか使われていませんがとにかく右手の動きや指使いに
集中できる大事なメソッドな訳です。
写真:ジュリアーニの右手の為の練習

写真は新堀ギターの譜面ですが実際のジュリアーニの右手の為の練習では
120パターンのアルペジオの練習が出来ます。
始めは簡単な3連符から6連符、32部音符を含んだ複雑なものまであり
右手の特訓においては一番のお勧めだとピラマは考えます。
また、すべてをアポヤンドとアルアイレ奏法を織り交ぜて
練習すると鬼に金棒です。
アポヤンドとアルアイレ奏法については以下の記事を
ご参照下さい。
アポヤンド奏法とアルアイレ奏法・ギターを弾く右手について

a-m-iの指の長さに違いがあるので爪の長さをかえてみる

皆さん、右手の指の長さを良く観察してみて下さい。
多分、ima【人差し指、中指、薬指】の長さに違いがあるのに気が
付くと思います。
三本の指が均等な長さの人は本当に稀です。
大抵はi【人差し指】が一番短いのが分かります。
トレモロが均等に発音できない理由がここにあるとピラマは
考えます。
指の長さは変えられませんのである程度爪の長さで解決する-
方法もありかと考えます。
わたくしピラマの場合は【i,人差し指】を少し長めに調整しております。
その方が粒よりなトレモロを奏でることが出来るようになったからです。

私のやり方を押し付けている訳ではありません。
基礎練習を極めた上で自分なりに演奏方法や姿勢や爪の長さなど
研究するのも大事だと最近になって気が付いたということです。
それと弦に対する右手全体の角度も重要です。

右手の弦に当たる角度を自分なりに変えてみて均等に音の粒が出るか
試してみるのも研究の余地があるとピラマは思います。

p-i-m-aのバランスを鍛える練習につて

同一弦上でのp-i-m-aの動きのバランスを整える練習を
以下の通りお話します。

下の譜面はピラマが普段練習している開放弦の①~③を使った
ものです。左手は完全にお休みするので右手の指の動きに意識を
集中して耳を傾けて綺麗な音色が出るまでやってみて下さい。

一拍3連符の頭に親指【p】がきますが慣れないと難しいです。
最終的には譜面の下にある12連符を一拍として1小節を
練習して下さい。
(②弦以下の記譜は省略してます)

*①弦は一番下に有りますので爪が他の弦に触れることはありませんが
②と③弦はどうしても隣り合った弦に触れてしまいます。
根気のいる練習ですが焦らず体全体の力を抜いて弦に気持ちを
集中してみて下さい。
ダイナミックな動きは上達してからでも出来ますので
小さな粒よりな綺麗な音色が出るのを目指して下さい。

上の写真A.での右手の運指の一小節分を表記すると
p-i-m a-m-i a-m-i a-m-i の三連符になります。
三連符なので拍の頭にアクセントがきますがわざと無視して
繋げて弾くのがコツです。
また、B.では
一拍12連符のpim-ami-ami-amiを四回続けて一小節に
なる練習をしてください。
 
分かりやすくハイフンでつないで表記していますが
右指の動かす順番を覚えたら連続して間断なく演奏する
コツをつかんでください。

下の譜面は小原聖子先生の譜面から抜粋したものです。
⑥弦~①弦を使い分けているもので四拍子です。
右手の動きはp-i-m-a-m-iを一拍として数えます。
左手の運指も加わるので初めてだと中級者でも初見では
難しいです。
特に①弦~③弦のナイロン弦と④弦~⑥弦の巻弦の
違いがタッチに影響を及ぼすので綺麗に発音させるのが
とても難しいです。

トレモロを綺麗に鳴らすには大幅なスピードダウン練習がいいかも?

ギターでいうトレモロとは:
“右指を極めて快速に動かして音の粒を並べるとメロディーが間断なく
流れていくようになる。これをトレモロ奏法という。”
ってあります。
この定義は間違えでは無いのですがこれからトレモロ奏法を練習する
人に多少の勘違いを生む可能性があります。
わたくしピラマも初心者だった頃に“極めて快速に”って部分に
こだわってしまい中々トレモロが上達出来なかった経緯が
ありました。
トレモロの記譜が32分音符で書かれているのを見てしまうと
極めて快速に弾けなければいけないのだと勝手に判断していた
若かりし誤った自分がおりました。
結果、中々綺麗なトレモロ演奏には行きつけなかったのです。
では、どの様に練習すれば良いのか?
答えはとても簡単でした。
“わざと大幅な、とてもゆっくりな練習や演奏をする”

とても難しい曲を普通の速度で演奏するのは難しいが自分の
技量で確実に綺麗な音が発音出来るまで何度も練習するのが
何よりも大事だからです。
例えばアルハンブラの思い出は速度表記がAndanteなので
少しゆっくり歩く速さのイメージですがもっと遅い
LargoやAdagioなどのゆったりと幅広く緩やかにわざと
練習しないとトレモロを綺麗に発音させることは出来ません。

4分音符が1分間に90個ならわざと60個に減らすくらいまで
スローダウンして練習することも必要です。
その時には必ずメトロノームでタイムを刻みながら練習して
下さい。正確なタイムはとても重要なのです。

このページのまとめ

1.メロディー部分のトレモロを切り離して親指【p】だけで
ベースとアルペジオの練習をしてみよう。
親指は曲全体のアンサンブルの主役であるのを意識しよう。

2.トレモロは同一弦上のアルペジオである
アルペジオの練習を極めればトレモロ奏法のマスターへの
近道になる。

3.右指の爪の長さや右手の弦に対する角度も自分なりに
色々試して自分に適したやり方を見つけるのも重要です。

4.同一弦上でのp-i-m-aの右手の指使いを開放弦の①弦~③弦を
使った右手だけの練習をしよう。
最終的には①~⑥の開放弦全てで弾けるように。
それとp+(ami、ima、imaim、amima)などで順番を変えたり
して指の動きを様々な動きで鍛錬するのも大切です。
注:実際の曲ではだいたいp-a-m-iの順番がほとんどです。
pでベースとアルペジオを担当してamiがトレモロでメロディーを
歌わせるパターンが多いです。

5.綺麗なトレモロを発音させるには大幅な減速をわざと
行ってみよう。
速度表記を無視して敢えてゆっくり、ゆったりとした練習や
演奏を試してみよう。必ずメトロノームを使うようにして
確実に綺麗で美しい音色が出るまではスピードを落として
何度も繰り返して行うのも大事です。

サイト記事作成者、ピラマにコメントください。

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