1.この曲の構成を理解しょう
映画『禁じられた遊び』でのナルシソ・イエペスの演奏により
世界的に有名になりギター愛好者なら誰でも弾てみたい
レパートリーになりました。
演奏や練習に当たっては以下の5項目に留意することが
大事です。曲のキモになる部分です。
・リズムを理解するー三拍子【ワルツ】
・曲の調子を理解するー前半・ホ短調 後半・ホ長調
・一拍目の頭にメロディーとベース音があるので同時に弾く
・3連拍の頭がメロディーだからアポヤンド奏法で浮き立たせ
それに続く中指ー人差し指はアルアイレ奏法で軽めに弾く。
・セーハと半セーハがかなり出てきます。
特に後半のホ長調になってからはセーハの連続ですから
かなりハードです。
1-1.リズムは三拍子の3連拍
曲の拍子【リズム】を理解していないといけません。
譜面の一番初めの頭に4分の3って書いてあります。
つまり、4分音符を3回刻むリズムだということです。
写真ー1
鉛筆の丸印がメロディー
頭の一拍目にベース音⑥弦の開放弦を同時に弾く
数字の3は“三連符”の表示
ちなみに、ベースとメロディーラインだけを抜きだした図が
以下のようになります。三連の伴奏を省いたものです。
*赤色の部分がメロディーの強拍で青色がメロディーの
弱拍となります。
三拍子でのワルツになりますので一拍目にアクセントがきます。
言葉で言い換えて手拍子も交えて歌ってみて下さい。
タン ・ タン ・ タン
ズン ・ チャッ ・ チャッ
ズン ・チャカ ・ チャカ
アクセント【強拍】は一拍目の頭で赤色になります。
それとこの曲の最大の特徴は3連符の頭にメロディーを
乗せているところです。
3連符は一拍を三つに分けたリズムです。
それを言葉で書き表すとこんな感じです。
タララ ・ タララ ・ タララ
赤のタと青のタがメロディー。
ララは伴奏部分になります。
声を出して手拍子で歌ってみて下さい。
数字だと1がメロディーで23が伴奏です。
123 ・ 123 ・ 123
これを指使いで表すと
ami ・ ami ・ ami
になります。
つまり、薬指(a)ー中指(m)ー人差し指(i)に
なるわけです。
出来れば電子チューナーのメトロノーム機能を使うことを
お勧めします。
三拍子の三連符のリズムに合わせて123・223・323みたいな
感じで歌いながら指を動かしてみて下さい。
指記号や指番号については以下の記事を見てください。
1-2.この曲の調子は何?
前半の繰り返しの部分はホ短調【Em】
短調(マイナー)なので暗い曲調です。
出現コードは
EmーAmーB7ーEm
コードに合わせてベース音もEーAーBが使われます
音階だとミ【E】ーファ♯【F♯】ーソ【G】ーラ【A】-シ【B】
ド【C】ーレ♯【D♯】ーミ【E】
後半の繰り返し部分はホ長調【Emajor】
長調(メジャー)なので明るい曲調です。
出現コードは
EーB7ーEーAーB7ーE
コードに合わせてベース音もEーBーAが使われます
音階だとミ【E】ーファ♯【F♯】ーソ♯【G♯】ーラ【A】
シ【B】ード♯【C♯】ーレ♯【D♯】ーミ【E】
クラシックギターのエチュードなどでは何調でコードは何が使われて
いるのか記載がない場合がほとんどです。
練習する前に譜面とにらめっこして曲の構成について
理解するのが重要です。
曲の調子とコードの関係やベースについて考えながら
練習すると音楽に対する理解が深まりよりさらに
ギターを弾くのが好きになるはずです。
2.メロディーを歌わせる方法について
2-1.メロディーを“アポヤンド奏法”で歌わせる
3連拍の頭がメロディーなので薬指の【a】をアポヤンドする。
アポヤンドすることでメロディーラインを浮き立たせる訳です。
しかし、強く弾くということではありません。
続く中指【m】と人差し指【i】は伴奏なのでアルアイレする。
あくまでも伴奏部分なので歌手の歌声を邪魔しないで
サポートするイメージが大事です。
アポヤンド奏法とアルアイレ奏法については以下の記事を
ご参照ください。
アポヤンド奏法とアルアイレ奏法・ギターを弾く右手について
2-2.メロディーだけを抜き出して練習してみる
三連拍の頭がメロディーなので薬指の【a】だけで弾いてみる。
メロディーラインだけを抜き出して自分で弾きながら歌って
みて下さい。
本来は薬指【a】だけでの連続弾弦はしないのですがあえて
薬指だけでアポヤンド奏法に慣れさせるのが目的です。
3.この曲の難関な所をクリアしよう
3-1.全セーハと部分セーハをマスターしよう
セーハとは一つの指で二弦以上を押さえる押弦方法
一般的には左手の人差し指【1】を使いますが
他の中指【2】、薬指【3】、小指【4】を部分セーハする
場合もあります。
セーハを克服する手立てはとにかく慣れるしかありませんので
何度も弾てみて頑張るしかありません。
でも、ピラマが注意していることがあります。
“体の力を抜いてリラックスして指先に意識を集中する”
力ずくで押さえても音がビビッてしまうだけです。
リラックスして弾くとだんだん指先が滑らかに動きます。
それとギターのネックの裏を押さえている親指の向きを良く
観察して下さい。
親指を立てて押さえるのではなく自分から見て親指は
左側に向いているのが正しい押さえ方です。
下の写真のように親指を真っ直ぐに立てるとうまく
セーハが出来ません。
それと握力の弱い方はどうしても鍛える必要があります。
特に後半のホ長調になるとセーハ、半セーハの嵐?なので
かなりハードです。
ピラマも筋トレの一環で握力を鍛えています。
一番身近なのは“ハンドグリッパー”です。
百均ショップでも売っていますので自分に見合った
負荷をかけて日々握力アップを目指しましょう。
それの方がギターを弾くうえでメリットが大きいです。
下の写真は全セーハ【C.7】の部分です。
つまり、7フレットを左手の人差し指【1】で全て
押弦する。
7フレットのB7コードになります。
下の写真は半セーハ【C.5】の部分です。
つまり、5フレットを上から③②①の弦を
人差し指【1】で押さえる形になります。
5フレットのAmコードになります。
*譜面通りだと半セーハですが⑤の開放弦のA音ではなく
⑥弦のA音で全セーハでも良いと考えます。
ちょっと話が難しくなりますが前のベース音の⑥弦のE音を
消音した方が響きが濁らなくて綺麗に聞こえます。
なので、5フレットの全セーハで一気に消音して
しまう方法もありとピラマは思います。
ちなみに、譜面通りに弾いて開放弦の⑥弦を消音するのは
初心者ですと可なりな技だと考えます。
初めは開放弦を鳴らしたままで慣れてきたら
右手の親指の付け根を弦に当てて消音の練習をすると
良いと思います。
3-2.メロディーとベース音を同時に弾くのに慣れるコツ
この曲の冒頭には必ずベース音が二分音符+付点で記載されていますが
メロディーの頭とベースを同時に弾く必要がありますが
初めてこの曲に取り組む場合これが結構難しいのです。
練習方法として以下の方法がお勧めかと考えます。
1.三連符を無視してメロディーとベース音だけで練習する
2.メロディーと伴奏の三連だけで練習する
3.上の2.が出来たらベース音も乗せる
始めから全部練習するのは難しいので曲の構成を単純化して
しまうのが良いと考えます。
それと練習の最初はアポヤンド奏法でメロディーを浮き立たせるのは
難しいのでアルアイレ奏法で慣らしてからアポヤンド奏法を練習する
方法をお勧めします。
サイト記事作成者、ピラマにコメントください。